養育費の約束は、必ず公正証書に! |
電話無料相談・面談無料相談
行政書士が無料でメール相談・電話相談・面談相談に応じます。
無料メール相談はこちら
無料電話相談はこちら
無料面談相談はこちら
中本行政書士事務所
広島市安佐南区長束4-9-4
養育費とは
養育費とは、離婚の際に、子の監護養育をするのに必要な費用の分担です。
慰謝料とは違い、離婚の責任とは関係ありませんし、通常は、父親側から
母親側に支払われることが多いですが、逆の場合も当然ありえます。
養育費の支払義務(扶養義務)は、親の生活に余力がなくても自分と同じ生活を保障するという強い義務(生活保持義務)だとされていますので、
"住宅ローンと車のローンがきつくて養育費は無理”というような言い訳は通りません。
養育費の支払いについては、最低限以下のような事項について、協議しておく必要があります。
1 養育費の額
2 養育費の支払い始期
3 養育費の支払終期
1については、養育費は子の養育に必要な日常の費用の分担ですから、特段の事情がなければ毎月定期的に支払うのが普通です。子が複数の場合は、一人につき月額いくらという決め方にします。毎月の支払額は一定の場合が多いですが、ボーナス月を増額して決めておくこともあります。
2については、離婚前に協議する場合は、通常、「離婚届が受理された月から」とか「離婚届が受理された翌月から」というように、既に離婚している場合は、具体的に「平成○年○月から」というように支払い開始月を決定します。
3については、いろいろなパターンが考えられます。「18歳まで」、「20歳まで」、「大学を卒業するまで」等です。ただ、単に、「大学を卒業するまで」というようすると、将来もし子が大学に進学しなかった場合は支払い終期はどうなるのか、浪人したり留年したりして子が24,5歳でも大学生の場合にどうするのかなど不明確になります。そこで、「20歳まで、但し、大学に進学した場合は、22歳の誕生日以後の最初の3月」というように決めることが多いです。
その他、双方の合意があれば「大学入学金の半額」というように特別の費用について具体的に決めておくこともできます。こういう場合気をつけなければならないのは、公正証書で差押え等強制執行が出来るのは、公正証書作成時に、現に債権として特定されているものだけです。「入学金の半額」は金額が確定されていないので強制執行はできないことになります。よって、出来る限り金額を特定する決め方がよいでしょう。
養育費は、夫婦が離婚する場合のみではなく、結婚していない男女間の子の場合にも発生します。
婚姻しない男女の場合女性側は、きちんと養育費を払ってくれるかどうか非常に不安になるでしょう。
出産前であっても、双方が同意すれば養育費支払いに関する公正証書作成可能ですから、公正証書を作成しておけば、女性側としては安心です。
養育費の決め方
わが国では、離婚の90パーセント以上が協議離婚です。
よって、離婚時の養育費の決め方も、ほとんどの場合、当事者双方の話し合いということになります。
しかし、厚生労働省の平成18年の調査によれば、協議離婚で養育費の取り決めをしているのは、わずか31.2パーセントとの結果が
出ています。なんと7割近い人が養育費の取り決めさえせずに、離婚をしているということです。
では、なぜ養育費を受け取る権利があるのに養育費の取り決めをしないのでしょうか。理由も調査されています。
「相手に支払う意思や能力がないと思った」「相手と関わりたくない」「取り決めの交渉がわずらわしい」等です。
しかし、月額4万円としても年48万円。20年で960万円、
月額5万円なら年60万円。20年で1200万円です。離婚後の生活に大きな影響を与える金額ではないでしょうか。子の権利である養育費を
一時の感情で放棄することは親として許されないのではないでしょうか。
養育費は子にとって当然の正当な権利ですから、あきらめることなく取り決めをしておきましょう。
養育費の額は、それぞれの家庭の事情によって一律に決めることは出来ませんが、おおよその目安として、
家庭裁判所でも利用されている養育費算定表が参考になります。
但し、あまりこの額にこだわって双方の合意ができなければ意味がありませんから、
あくまで目安にして、合意することを最優先させることが肝要です。
自分ひとりで問題を抱え込まず誰かに相談し周りの力を借りましょう。
養育費の確保のために
養育費についてどんな約束をしても、約束どおり支払ってもらえなければ絵に書いた餅になってしまいます。
養育費を約束どおり払ってもらうためには、
第一に、養育費の取り決めの際、無理な金額設定をしないことです。
養育費の支払いは長期に及びます。離婚時には、子の生活を第一に考えてしっかり払っていこうと思っていても、無理な金額だと時間の経過と共に
支払い意欲がなくなっていきます。
第二に、養育費の取り決めは必ず公正証書にしておくことです。
公正証書というのは、これさえあれば相手方が約束通り支払をしないときに、給料や相手の資産を差し押さえることが出来るという強力なものです。
普通の離婚協議書とは違います。口約束は論外ですが、普通の離婚協議書では、給料や資産の差押えはできません。
相手方からすれば、口約束や普通の離婚協議書では、差押えを受けることはないのですから、支払遅滞や不払いをしやすくなります。
しかし、公正証書を作成しておけば約束どおりの支払をしない場合は、給料や資産の差押えを受ける可能性があるのですから、相手方としては心理的にプレッシャーを感じます。事実、当事務所では多くの公正証書作成を手掛けていますが、そのうち、差押え等の手続きに進むのは稀です。
公正証書によって差押えされるかもしれないという相手方の心理的プレッシャーが支払遅滞を防止する非常に強力な抑止力として作用します。
公正証書の作成方法等について詳しくはこちらのページを参照ください。
養育費をしっかり確保するためには、離婚時の対応が重要です。
養育費の支払いが止まってからでは、遅いのです。
養育費の支払いが止まらないよう、止まっても直ちに強力な手が打てるように、離婚届を出すときに予防線を張っておくこと、これが肝要です。
無料電話相談へ
このページのトップへ
養育費が支払われないとき
前項で述べたように、養育費は支払いが止まらないよう予防しておくことが最も肝要です。
その為には、繰り返しになりますが、
1 無理な金額を設定しない。
2 必ず取り決めは公正証書にしておく
3 子の近況報告や面会交流など、子の成長を実感できるようにしてあげる。
等が有効な方法です。
それでも、養育費の支払いが止まった場合は、
1 公正証書がある場合
この場合は、最も養育費の回収が楽なパターンとなります。前述のとおり、公正証書があれば、裁判をしなくても直ちに相手方の給料や資産を差押えできます。
つまり、相手方が支払いを止めても、法律の力で強制的に取り上げることができるということです。
よって、この場合は、何も悩むことはありません。直ちに相手方の給料を差し押さえればいいのです。養育費の場合、相手方の給料の2分の1まで差押え可能ですし、
一度手続きすれば、養育費支払い終期まで毎月差押えがされます。公正証書の最大の利点である「差押えが出来る」という強力な効果が最大限に発揮される場面です。
差押え手続きは別途必要ですが、これは、郵送でも可能です。ご本人でも十分に手続き可能でしょう。
2 公正証書がない場合
この場合は、非常に厄介です。実は、養育費の支払いが止まり、公正証書にはしていないがきちんと相手方の実印で署名捺印をさせた協議書があるから大丈夫と思って相談に来られるかたも多いです。
しかし、もはや、この段階では、行政書士にはどうする事もできません。せいぜい内容証明を送る程度ですが、これとて相手方が応じなければそれまでです。
公正証書でない普通の離婚協議書では、差押えによって強制的に取り上げることが出来ませんから、
どうしても「家庭裁判所で調停等裁判上の手続きをする。」など裁判上の手続きを経る必要が出てきます。
しかし、この裁判上の手続きというのが厄介です。
ご本人が手続きを進めようと思っても、平日昼間に裁判所に出向く必要もあるでしょうし、書面の作成も大変でしょう。
小さなお子様を抱えては困難でしょうし、仕事の都合もあるでしょう。
では、代理で手続きをとなると弁護士さんにお願いするしかありません。そうなれば今度は弁護士費用が大きな問題となります。
結局、単なる離婚協議書では、いざという時の手続きは口約束の場合と大差ないということになります。
公正証書がない場合、弁護士費用を覚悟して弁護士さんにお願いするか、その余裕がない場合は泣き寝入りとなる可能性が高くなります。
養育費の支払いが止まった時
公正証書がある場合は、直ちに相手方の給料差押えの手続きを取る。
公正証書がある場合は、相手方と交渉する必要はありません。
公正証書がない場合は、口約束であっても、普通の離婚抗議書があっても、いったん家庭裁判所での調停など裁判上の手続きを経なければ相手方に強制的に養育費を支払わせることはできません。
公正証書がない場合は、粘り強く相手に支払うようお願いするか、裁判上の手続きをとるか、泣き寝入りかの選択を迫られます。
養育費についてまとめ
「離婚時の対応で天国と地獄の差」
「公正証書を必ず作っておく」
養育費Q&A
Q 養育費はいつまでもらえますか。
A 当事者間の合意で決定できますが、「18歳まで」「20歳まで」「大学卒業まで」というような場合が多いです。
Q 養育費の相場はどのくらいですか。
A 各家庭の事情によりますから、一概にはいえませんが、
家庭裁判所でも利用されている養育費算定表が参考になります。
Q 相手(支払い義務者)が再婚した場合は養育費はどうなりますか。
A 再婚したからといって一律に養育費の支払い義務がなくなったり、減額されるわけではありませんが、
相手方が再婚後子が出来るなど扶養関係や経済状況に大きな変化があった場合は、養育費の減免が認められることもあります。
Q 私(監護養育者)が再婚した場合は養育費はどうなりますか。
A 前問と同じく、再婚したから直ちに養育費をもらえなくなるということではありませんが、
再婚相手と子が養子縁組するなど扶養関係に大きな変化があればやはり養育費の減免が認められることもあります。
Q 未婚で胎児の段階でも養育費支払い公正証書を作成できますか。
A 親子関係に争いが無く、双方が養育費の支払い内容に合意し、公正証書の作成に合意していれば可能です。